先日購入してしまったBMWのR1250GS(2021年モデル)。
※アドベンチャー(ADV)ではなく無印のGSです。
まだバイクの慣らし運転中で200㎞ほどしか走っていませんが、乗った直後のイメージが新鮮なうちにファーストインプレッションをお伝えしたいと思います。
なお、R1250GS(2021年モデル)の足つき性については「【足つきレポート】BMW R1250GS(新型 2021モデル)の足つき性 ~短足&チビのふくちゃんが実車でレポート~」次の記事に書いていますのでお時間がるときにでもご覧ください。
BMW R1250GSの2020モデルからの変更点
BMW R1250GSの2020年モデルからの主な変更点は以下の通りです。
- ヘッドライト : アダプティブ・ヘッドライト(車体が傾くと、それに応じて自動的にヘッドライトの照射範囲を変化させる。)
- ウインカー : デザイン変更
- シートヒーター : パッセンジャー用も含め新たに装着
- ドライビングモード : 「ECO」モードを新たに追加
- USBポート : メーター右側に新たに追加
- フォグランプ : 標準装備
R1250GS 2021年モデルの良かったところ
2021年モデルのR1250GSで、まず最初に良かった感じたところは次のです。
- エンジンの低速トルクが増大
- クラッチが軽く、半クラがわかりやすい
- リヤブレーキがよく効く
- ノーズダイブが少ない
- USBポートが搭載された
- スクリーンの大きさがちょうど良い
エンジンの低速トルクが増大
先代のエンジンを搭載していた’18モデルのR1200R(LC)に乗っていたのですが、明らかに低速トルクが太くなっています。
先代のエンジンはちょっと油断してスタートさせるとスコン!とほとんど振動もせずにエンストをしてしまいます。このため、Uターンなどをするときはエンジンを少し高めの回転を保つことが必要で、エンジンの回転が落ちないようにするのにちょっと気を使っていました。
それ現が行型のエンジンになると、先代のエンジンは何だったんだ?と思えるほど低速トルクが太くなっており、スタートや低速走行時のエンストに気を使う必要が無くなりました。
このおかげで、通常の走行で一つ上のギヤを使っても気持のちいいレスポンスをエンジンから得ることが出来ます。
クラッチが軽く、半クラがわかりやすい
何といっても軽いです。わたしは握力がある方ではないですが、二本指で楽々操作できます。それに半クラが分かりやすいですね。分かりやすいのに加えて半クラの範囲が広いように思えます。
しかもその広い範囲は、滑りすぎず、つながりすぎず、の範囲が広いので、クラッチワークの下手な私でもそれなりに半クラを使いこなすことが出来ます。
このクラッチと上で説明している通りエンジンの低速トルクが太くなっているおかげでエンストの心配をあまりする必要が無くなり、小回りをするときに思い切ってバイクをバンクさせることが出来ます。
リヤブレーキがよく効く
リヤブレーキがよく効きます。
身長が低いせいで、低速走行や小回りのしやすさを非常に気にします。
身長が低いと(正確には足が短いと(^^;))バランスを崩して足をついても、その時にはバイクが傾きすぎており支えることが出来ないのです。
リヤブレーキが効かないバイクは速度を調整しにくく、そのため低速走行や小回りがしにくいのです。また、リヤブレーキが効かないと力を入れてペダルを踏むので、体が硬くなってバランスを崩しやすくなるのです。
ただ、グラベルを走るときはちょっと効きすぎかもしれません。
特にノーマルタイヤでグラベルを走るときはすぐにリヤがロックしてしまいそうです。
そこはテクニックでカバーするか、ABSをうまく効かせるかで何とかなりそうですが。
ノーズダイブが少ない
ノーズダイブが少ないので、停車するときにバイクが安定しやすいです。
GSはフロントサスがテレレバーというちょっと変わった機構が搭載されているおかげで、ブレーキをかけたときのノーズダイブがかなり少ないのです。
サスストロークが多い重量級のバイクでブレーキをかけるとフロントが驚くほどダイブしてしまいます。ノーズダイブが多いと、特に停車する際にバランスを崩しやすくなってしまいます。
また、フロントとリヤのブレーキのどちらも使って停車した後にブレーキを離すと、バイクが浮き上がって足つき性が悪化し、わたしのように足の短い者は少しヒヤッとしてしまうのですが、これがないのは非常にありがたいことです。
USBポートが搭載された
やっと搭載されましたね、USBポート。
わたしはスマホをナビ代わりに使っているので、USBポートはぜひとも欲しい装備の一つでした。
USBポートは社外品のものでもよいのですが、どうしても”後から付けました”感がでてあまり好きではないのです。
それに、BMWは下手に電源を取ってしまうとエラーを吐き出してしまうので、電装系を後から追加したくないのも理由の一つです。
スクリーンの大きさがちょうど良い
スクリーンはちょうどよい大きさだと思いました。
また、高さの調整範囲が広いのが良いですね。
一番下げればスクリーンの上端があごの下あたり。一番上まで上げれば顔がほぼ隠れます。
走行シーンに合わせて調整できるのが非常に良いですね。
わたしがホンダのアフリカツイン(CRF1100)アドベンチャースポーツに乗ると、スクリーンを一番下げたときにスクリーンの上端が目線の真ん前、一番上まで上げると顔が隠れます。
スクリーンの上端が目線の真ん前にあると非常に不快で、かといって上にあげるとスクリーン越しに運転することになってしまいます。
アフリカツインのスクリーンはゆがみが少ないほうではないので、スクリーン越しに運手はしずらく、長時間運転していると船酔いを起こしてしまったようになってしまいます。
R1250GS 2021年モデルの悪かったところ
R1250GS 2021年モデルの悪かったところは、次の3つです。
- 不要な装備が多い
- グリップヒーターとシートヒータのスイッチ操作が複雑になった
- センタースタンドの場所があまり良くない
不要な装備が多い
フォグランプ :2021モデルから標準装備になりました。夜間走行することがほとんどないのでオプションとしてほしかったですね。また、転倒した時に打ち付けてしまいそうな所に取り付けられているのも、いかがなものかと。
シートヒーター:これもオプションとしてもらいたかったですね。わたし的にはあまりシートヒーターの必要性を感じていないので。
また、シートヒーター用が配線がシートと車両でつながっているので、シートを外すときやETCカードの抜き差しの時に少し面倒です。
ナビフォルダー:純正ナビを取り付ける予定がないので必要性を感じません。オプションとしてもらえれば、それだけ安くなるのでは?
スマホ用のスマホホルダーの取り付けとナビフォルダーの取り外し方法については「BMW R1250GSにSPコネクトのスマホホルダーを付けてみた ~純正ナビホルダーの取り外し方もお教えします~」をご覧ください。
グリップヒーターとシートヒーターのスイッチ操作が複雑になった
以前のモデルは、右側にあるグリップヒーターのスイッチの押す回数によりオン、オフと温度設定が出来ていました。
しかし、今回のモデルからシートヒーターが標準装備されたことにより、右側のハンドルにあるグリップヒーターのスイッチを押した後に左側のダイヤルスイッチでメーターに映し出されているグリップヒーターかシートヒーターを選択し、さらに温度を選択するようになりました。
操作が複雑になってしまったのはちょっと残念です。走行中に行うのはなかなか難しいように思えます。
センタースタンドの場所があまり良くない
センタースタンドが標準装備なのはうれしいのですが、場所がいまいちよくないような。
立てるときはいいのですが、下すときに油断をするとスタンドが脛に当たってしまいます。
背が低いので、センタースタンドから降ろすときは車両にべったりとくっついて転倒させないようにするのですが、そうすると必然的にセンタースタンドに近づき、結果脛を強打してしまうのです。
R1250GS 2021年モデルでもう少し乗らなと判断ができないところ
R1250GS 2021年モデルでもう少し乗らなと、良いのか悪いのかが判断ができないところは次の2です。
- ハンドリングのフィーリングがわかりにくい
- キーレスの良さがわかりにくい
ハンドリングのフィーリングがわかりにくい
ハンドリングが非常に不思議で、正直何と表現していいのか分からないのですが。
フロントの接地感が有るような、無いような、というのが一番不思議に感じるところです。
納車直後にはフロントもリヤも接地感がない!と思ったのですが、これはタイヤが新品で滑りやすかったのが原因だとわかり、60kmくらい走った辺りから徐々に改善されてきました。
しかし、フロントの接地感の希薄さはいまだに残ります。
かといって、滑っている感じではないのです。それなりの速度でコーナーに入っても。
ひょっとしたらブレーキング時のノーズダイブが少ないのでフロントに過重かかかっているように感じず、それが接地感を感じない原因かもしれません。
また、多くのバイクはブレーキをかけて荷重をフロントにかけた方がバイクを寝かしやすと思うのですが、このバイクはブレーキをかけなくてもパタンと倒れるのです。何かのきっかけを必要としないように思えるのです。
そしてコーナーの立ち上がりでバイクを起こすのも、アクセルを開けなくてもフッと起きるのです。じゃあ、アクセルを開けるとさらに起きやすいか、と言われると、そうでもないのです。
そんな感じならS字が走りやすいかと言われると、そうでもなく思いのほかモッサり感が出ます。
多くのバイクのように、アクセルのオン・オフできっかけを作ってS字を走る方がキビキビ感を感じます。
そのような感じで、ハンドリングはとにかく不思議です。
決して乗りにくい、といったことではなく、今のところ美味しく走れるポイントが分からない、といった感じでしょうか。
キーレスの良さがわかりにくい
最近はバイクでもキーレスが普及してきました。しかし、昔の人間としてはちょっと戸惑ってしまいます。
戸惑ってしまうのは、
- 運転中、キーレスをどこに入れておくか
- 給油用のエネキーとの相性
の2つです。
”どこに入れておくか”は、いろいろ試して、絶対に紛失しない場所を見つけるしかないのでしょうね。
”エネキーとの相性”ですが、今まではバイクのカギと一緒にしておけばよかったのですが、これからはキーレスと一緒にしておくのが良いのか、まずはその辺りから探っていくしかないように思えます。
【追記】
R1250GSのキーレスの電池は、約1年ほどで無くなってしまいます。
キーレスの電池交換は、自分でも簡単に行うことができます。しかし、中には電池カバーがとても固くしまっている場合があります。
そのようなカバーを開けるにはちょっとしたコツが必要で「BMW R1250GSのキーレス電池の交換方法 ~メチャクチャ固いカバーの外し方も解説~」にカバーの開け方を解説していますので、参考にしてください。
まとめ:ファーストインプレッション BMW R1250GS 2021モデル ~200㎞ほど走って思うこと~
2021モデルのR1250GSですが、バイクの基本性能にかかわる部分での悪いところは今のところ発見できていません。
そのうち見つかるかもしれませんが、致命的なところは出てこないような気がします。
そして、もし、R1200GSの中古の購入を検討されている方がいらっしゃれば、2021モデルにかかわらず一度R1250GSを試乗することをお勧めします。
エンジンの特性、特に低速での扱いやすさが全く違うからです。
正直わたしはR1200GSを購入したいと思っていませんでした。低速でエンジンが扱いにくいので。
しかし、R1250GSを試乗させてもらって考えが一気に変わり、これなら乗ってもいい、ではなく、これに乗りたい!と思いました。
そうそう、思い出しました。GSの悪いところを。
GSがあまりにも優等生すぎるので、ちょっとヤンチャなバイクがもう一台欲しくなってしまうことです。
R1250GSの足つき性は「【足つきレポート】BMW R1250GS(新型 2021モデル)の足つき性 ~短足&チビのふくちゃんが実車でレポート~」でレポートしていますので、気になる方は参考にしてください。
また、R1250GSはシートの取り付け位置の変更とサスペンションのプリロードの変更ができます。シートの取り付け位置とプリロードの変更で足つきがどれほど変わるかを「【足つきレポート】BMW R1250GS(新型 2021モデル)シート取付け位置の違いによる足つき性 ~実車でレポート~」でレポートしていますので、あわせてご覧ください。
それでは、皆さんの参考になればうれしいです。
【追記】セカンドインプレッションを「セカンドインプレッション BMW R1250GS 2021モデル ~600㎞ほど走って思うこと~」にアップしましたので、あわせて読んでいただけたら嬉しいです。