RSタイチのTECCELL チェストプロテクターを3年以上使ってきました。
このTECCELL チェストプロテクターの唯一の不満が装着した時に硬さを感じることでした。
そこで、体と接触部分に柔らかなD3Oを使っているHYODのDYNAMIC PRO D3O® CHEST PROTECTORを購入することで不満を解消することにしました。
今回は、HYODのDYNAMIC PRO D3O® CHEST PROTECTORをRSタイチのTECCELL チェストプロテクターと比較しながらレビューしたいと思います。
また、HYODのチェストプロテクターはDYNAMIC PRO D3O® CHEST PROTECTORの他にAIR CHEST PROTECTORとAIR CHEST PROTECTOR Separateの2つがありますが、その中からDYNAMIC PRO D3O® CHEST PROTECTORを選んだ理由もお伝えします。
チェストプロテクター(胸部プロテクター)の必要性
まずはこちらの表をご覧ください。
損傷主部位 | 平成27年 | 平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 過去5年平均 |
全損 | 5.3 | 5.0 | 0.0 | 4.5 | 0.0 | 3.1 |
頭部 | 47.4 | 50.0 | 51.2 | 52.3 | 35.7 | 48.2 |
顔部 | 0.0 | 0.0 | 2.4 | 0.0 | 0.0 | 0.5 |
頸部 | 7.9 | 7.5 | 2.4 | 6.8 | 10.7 | 6.8 |
胸部 | 23.7 | 25.0 | 29.3 | 29.5 | 32.1 | 27.7 |
腹部 | 7.9 | 7.5 | 9.8 | 4.5 | 21.4 | 9.4 |
背部 | 2.6 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.5 |
腰部 | 2.6 | 5.0 | 4.9 | 0.0 | 0.0 | 2.9 |
腕部 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
脚部 | 2.6 | 0.0 | 0.0 | 2.3 | 0.0 | 1.0 |
窒息溺死 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
総計 | 100.0 | 100.0 | 100.0 | 100.0 | 100.0 | 100.0 |
これは、2020年9月20日に警視庁が発表した二輪車乗車中死者の損傷主部位(構成率)です。
バイクに乗っているときの死亡事故のうち、最も多い死亡原因が頭部の損傷で、過去5年平均では全体の約48%。
その次が胸部の損傷で、過去5年平均では全体の約28%です。
次はこちらの表をご覧ください。
東京都内死者数 | 東京都内構成率 | 全国死者数 | 全国構成率 | |
二輪車 | 40人 | 25.8パーセント | 526人 | 18.5パーセント |
四輪車 | 14人 | 25.8パーセント | 882人 | 31.1パーセント |
自転車 | 34人 | 9.0パーセント | 419人 | 14.8パーセント |
歩行者 | 67人 | 21.9パーセント | 1,002人 | 35.3パーセント |
その他 | 0人 | 43.2パーセント | 10人 | 0.4パーセント |
合計 | 155人 | 43.2パーセント | 2,839人 | 100パーセント |
これは、2020年中の東京都内と全国の交通事故死者数構成率です。
※ 二輪車には原動機付自転車を含みます。
二輪車に注目してもらいたのですが、交通事故での死亡者のうち全国では約19%の方がバイクでの事故で無くなっているのです。
全国で見ると、四輪車は約31%なので思いのほか少ないのでは?と思われる方がいらっしゃると思います。
では、ちょっと違う目線で見て見ましょう。
2019年3月末での自動車保有台数は
- 四輪車 78,416,591台(内、トレーラー(被けん引車) 180,662台)
- 二輪車 10,539,849台(原付を含む)
これは、(一社)日本自動車工業会が公表している自動車保有台数です
ここで全国での自動車1台当たりの死亡率を計算してみましょう。
※ 自動車保有台数は2020年のデータが無かったため2019年を使っています。通事故死者数構成率と年が違っていますが、ご了承ください。
- 四輪 882人÷(78,416,591-180,662)台×100=0.00112735%
- 二輪 526人÷10,539,849台×100=0.00499058%
※ トレーラー(被けん引車)(180,662台)には人が乗らないので四輪車の保有台数から引きました。
このように、自動車1台当たりの死亡率は約4.4倍もバイクの方が高いのです。
バイクの事故自体は四輪車と比べると少ないが、一旦事故を起こすと四輪車に比べて死亡率は約4.4倍も高い
また、こちらのグラフは2020年の東京都での年齢層別死亡者数です。
10代や20代の若い方の死亡者数が多いのは、みなさん何となく想像できていたと思います。
しかし、このグラフから40代や50代の方の死亡者も10代や20代の方の死亡者数と同じくらい多いことが分かります。
ここからはわたしの全くの推測ですが、30代や60代以上の方の死亡者数が少ないのは、30代の方については働き盛りでバイクに乗る方が少ないから、60代以上の方は、バイクに乗ることを辞めたため死亡者数が少ないのではないかと思います。
ですので、各年代別の死亡者の割合(死亡者数÷バイクに乗っている方の人数)は、若いからと言って高い、年齢を重ねているから低い、といったことは無いのです。
バイクの事故で死亡する割合は、年齢に関係ない。
チェストプロテクターを装着することで、バイクで事故を起こした時の死亡する割合を年齢に関係なく下げることが出来る。
DYNAMIC PRO D3O® CHEST PROTECTORのご紹介
HYODのDYNAMIC PRO D3O® CHEST PROTECTORはチェストプロテクターのCE規格(EN-1621-3)・レベル2を遥かに上回るプロテクト性能を有しています。
胸部はハードシェルとD3O®プロテクターの2重構造が特徴です。
ハードシェルは取り外し可能な作りとなっています。
転倒時のヒジによる脇部分へのダメージを大幅に軽減させるため、柔軟なD3O®が脇までカバーする形状となっているのは、他のメーカのチェストプロテクターにはない特徴です。
HYODレザースーツやHYODジャケットにはベルクロにより簡単に取り付けることが出来ます。
また、ジャケット側のベルクロに余裕を持たせることによってチェストプロテクターの装着位置に自由度があることは、ドットボタン(スナップ)を使った他のメーカーのチェストプロテクターには無い特徴です。
付属のアタッチメントを装着することにより、RSタイチやコミネなどが販売するCPS(チェストプロテクターシステム)対応のジャケットに装着することも可能です。
HYODのチェストプロテクターの中からDYNAMIC PRO D3O® CHEST PROTECTORを選んだ理由
HYODのチェストプロテクターはDYNAMIC PRO D3O® CHEST PROTECTORの他にAIR CHEST PROTECTORとAIR CHEST PROTECTOR Separateの2つがあります。
その中からDYNAMIC PRO D3O® CHEST PROTECTORを選んだ理由は、ハードシェルとD3O®プロテクターの2重構造になっているからです。
転倒した際にハンドルなどの突起物が胸に当たった場合、ハードシェルがあった方が胸を保護する性能がより高いと思えたからです。
ただし、SSのバイクの様に燃料タンクに胸をつけて運転するよう場合は、ハードシェルがタンクと接触することで胸に硬さを感じてしまいます。
また、D3O®が脇まで大きくカバーする形状となっていることもDYNAMIC PRO D3O® CHEST PROTECTORを選んだ理由です。
ただ、D3O®が脇まで大きくカバーしているため、ジャケットの着脱で若干もたついてしまいます。
RSタイチのTECCELL チェストプロテクターとの比較
RSタイチのTECCELL チェストプロテクターは水よりも比重の軽いポリプロピレン樹脂を使用し、特殊成形技術によって構成されたハニカムコア構造を採用しています。
そのため、CE規格LV.2をクリアした製品の中では世界最軽量(200)を実現しているのが最大の特徴です。
もちろん、CPS(チェストプロテクターシステム)を採用しているので、CPS(チェストプロテクターシステム)を採用している他メーカーのジャケットに装着することが可能です。
このRSタイチのTECCELL チェストプロテクターを3年以上使ってきたのですが、唯一の不満が装着した時に硬さを感じることでした。
特に夏場など、Tシャツの上にこのプロテクターを装着した時は固さを強く感じてしまいます。
その不満点を解消するために選んだのがHYODのDYNAMIC PRO D3O® CHEST PROTECTORです。
HYODのDYNAMIC PRO D3O® CHEST PROTECTORは先に説明した通り、体と接する部分にD3Oを使用しています。
D3Oは高い衝撃吸収性能と柔軟性を有し、柔らかなゴムのような素材で出来ているので体と接してもそれほど硬さを感じることはありません。
実際に装着してみると、HYODのDYNAMIC PRO D3O® CHEST PROTECTORはRSタイチのTECCELL チェストプロテクターより装着感がずいぶん向上することが分かりました。
また、HYODのDYNAMIC PRO D3O® CHEST PROTECTORはRSタイチのTECCELL チェストプロテクターより厚みが少ないようで、ジャケットを着たときのシルエットがずいぶんすっきりすることも分かりました。
まとめ
チェストプロテクターを装着することで、バイクで事故を起こした時の死亡率をぐっと抑えることが出来ます。
そのことが分かっていてもチェストプロテクターの装着がしづらかったり装着感が悪いと次第にプロテクターを装着しなくなります。
その点、今回ご紹介したHYODのDYNAMIC PRO D3O® CHEST PROTECTORは装着しやすく、また、装着感も悪くありません。
価格は1万円を超えてしまいますが、1万円とあなたの命を天秤にかけると決して高い買いも出は無いはずです。
ご自身の命を守るためにも、また、お子さんがバイクに乗っているのであればお子さんの命を保るためにもチェストプロテクターを装着することを強くお勧めします。
では、みなさんの参考になれば嬉しいです。