バイクのチェーンメンテナンスに欠かせないチェーンオイル(チェーンルブ)。
みなさん、どのチェーンオイルを購入しようか、迷っていませんか?
チェーンオイルは飛び散りにくいのが良いな、とか、性能も気になるけどコスパも気になるな、とか。
チェーンオイルは大きく次の2種類に分かれます。
- ウエットタイプ
- ドライタイプ
ウエットタイプは粘度が低い。ドライタイプは粘度が高い。このような違いがあります。
この違いから、
ウエットタイプのチェーンオイルは、次のような人におすすめ。
- チェーンのメンテナンスを頻繁に行っても苦にならない人
- チェーンの掃除に時間をかけたくない人
ドライタイプのチェーンオイルは、次のような人におすすめ。
- チェーンのメンテナンスを極力減らしたい人
- チェーンの清掃にある程度、時間がかかってもいい人
ではこの後、チェーンオイルの選び方と、おすすめのチェーンオイル、ウエットタイプ、ドライタイプ、合わせて7製品をご紹介しますので、最後までぜひご覧ください。
また、KUREとワコーズのチェーンクリーナーを「比べてみました バイクのチェーンクリーナー KURE VS ワコーズ ~それぞれ長所と短所がありました~」で比べていますので、ご興味のある方はぜひどうぞ。
チェーンオイルの種類と特徴
チェーンオイルの選び方の前に、まずは、チェーンオイルの種類について説明したいと思います。
それは、チェーンオイル選びは、どの種類のチェーンオイルを選ぶか、から始まるからです。
チェーンオイルは大きく次の2種類に分かれます。
- ウエットタイプ
- ドライタイプ
この2種類の大きな違いは、チェーンオイルの粘度(粘り気)にあり、
- ウエットタイプ → 粘度が低くい
- ドライタイプ → 粘度が高い
このようになっています。
ウエットタイプとドライタイプにはそれぞれメリットとデメリットがあります。
主なメリットとデメリットをまとめると、次のようになります。
メリット
- 比較的チェーンに浸透しやすい
- 汚れたチェーンオイルは、クリーナーで落としやすい
- 種類が豊富
デメリット
- 飛び散りやす
- 効果は短め(乾燥しやすい)
メリット
- 飛び散りが少ない
- 比較的砂やほこりなどのゴミが付きにくい
- 比較的長期にわたって効果を持続できる
デメリット
- 汚れたチェーンオイルは、クリーナーで落としにくい
- 汚れが目立ちやすい
バイク用チェーンオイルの選び方
では、みなさんにとって最適なチェーンオイルの選び方をお伝えしたいと思います。
わたしは次の順番でチェーンオイルを選べばよいと考えています。
- チェーンのメンテナンスをする頻度
- チェーンの汚れを落とすのに必要な時間
- チェーンオイル選びに迷ったらウエットタイプ
では、それぞれ詳しく解説したいと思います。
①チェーンのメンテナンスをする頻度
一般的にチェーンオイルの注油は500㎞走行毎。1,000㎞走行したら、チェーンを掃除してから注油を行うことが目安とされています。
ただ、これはあくまでも目安であって、絶対ではありません。
雨の中を走った後であれば、500㎞走行していなくても注油の必要が出てくるでしょう。
また、沿岸部の潮風が吹くような場所や、湿度の高い場所にバイクを保管していれば、潮風や湿度でチェーンに与えるダメージが高くなります。そのため、500km走る前に注油が必要となる場合もあります。
つまり、走行距離だけでなく、使用環境によってチェーンのメンテナンス頻度は変わってくるのです。
それを踏まえたうえで、みなさんがどれくらいの頻度でチェーンのメンテナンスをする必要があるかを、思い浮かべてください。
2週間ごとに必要な人もいれば、2か月ごとでいい人もいるでしょう。
思い浮かべたチェーンのメンテナンス頻度が、「そんなに頻繁にはメンテナンスできない」、「そのメンテナンス頻度はちょっと短すぎて面倒」と感じた方は、ドライタイプのチェーンオイルを選べばいいでしょう。
逆に、思い浮かべたチェーンのメンテナンス頻度が、「それくらいの頻度なら苦にならないな」、「もっと頻繁にチェーンをメンテナンスしても構わない」と思った方は、ウエットタイプのチェーンオイルがいいでしょう。
チェーンのメンテナンス頻度を少しでも少なくしたいのなら、ドライタイプのチェーンオイルを選ぶのがいいでしょう。
逆に、チェーンのメンテナンスが苦にならないのなら、ウエットタイプのチェーンオイルを選べばいでしょう。
②チェーンの汚れを落とすのに必要な時間
わたしの場合、チェーンのメンテナンスに必要な時間は次の通りです。
- 注油のみ:約20分
- 汚れ落としと注油:約50分
使用しているチェーンオイルはDIDのチェーンルブ(ウエットタイプ)。バイクスタンドを使ってメンテナンスをしているので比較的短時間で済んでいると思います。
注油のみであれば、チェーンオイルがウエットタイプでもドライタイプでもメンテナンスに必要な時間に変わりは無いでしょう。
しかし、チェーンの汚れを落とすとなると、そうはいきません。
上の「チェーンオイルの種類と特徴」で説明した通り、ドライタイプのチェーンオイルは汚れたチェーンオイルはクリーナーで落としにくいといったデメリットがあります。
ドライタイプのチェーンオイルは、ウエットタプのチェーンオイルに比べ、汚れを落とすのに時間がかかってしまうのです。
以前、わたしがドライタイプのチェーンオイルを使っていた時は、汚れたチェーンオイルを完全に取り除くのに1時間は必要でした。
しかし、今わたしが使っているDIDのチェーンルブ(ウエットタイプ)であれば15分もあれば清掃は終わってしまいます。
つまり、チェーンのメンテナンスにかける時間をどれくらいまで許容できるかがウエットタイプとドライタイプを選ぶときのポイントになるのです。
チェーンの汚れを落とす時間を少しでも短くしたいのであれば、ウエットタイプのチェーンオイルを選ぶのがいいでしょう。
逆に、チェーンの汚れを落とすのに時間がかかっても苦にならないのであれば、ドライタイプでもいいでしょう。
③チェーンオイル選びに迷ったらウエットタイプ
チェーンオイルを選ぶときは、まず最初にチェーンのメンテナンスをする頻度。次に、チェーンのメンテナンスにかかる時間の順番で選べばよいと説明しました。
しかし、バイクに乗り始めたばかりの初心者の人や久しぶりにバイクに乗ることになったリターンライダーの人にとってはなかななピンとこないのではないでしょうか?
そこでわたしは、チェーンオイルに迷った時はウエットタイプを選ぶことをお勧めします。
理由は、ウエットタイプのチェーンオイルは種類が多く、低価格なものがあるからです。
ウエットタイプのチェーンオイルの中から「これかな?」と思うものを一つ選び、とりあえず使ってみます。その選んだウエットタイプのチェーンオイルを使っていると不満なところがだんだん出てきます。
例えば、飛び散りが多いな、とか、持続性が短いな、とかです。
そして、次に選ぶチェーンオイルはその不満を解消する物を選ぶのです。
飛び散りが多いことに不満があれば、次はドライタイプを選ぶものいいでしょう。
持続性に不満があれば、これも、ドライタイプから選ぶのもいいでしょう。
ただし、ドライタイプのチェーンオイルは、清掃に時間がかかります。今まで使っていたウエットタイプのチェーンオイルでも清掃時間が長いと感じているのであれば、ドライタイプではなくウエットタイプの中から選ぶ方がいいかもしれません。
このように、まずは、ウエットタイプの中から選んで使い、不満点を洗い出し、自分中の基準を作ってしまうのです。
一見すると面倒で遠回り、無駄な出費ですが、結果的にこれがベストなチェーンオイル選び方だと思います。
チェーンオイル選びに迷ったらウエットタイプの中から選ぶことをお勧めします。
おすすめのバイク用チェーンオイル
それでは、バイク用品店、ネットショップ、ホームセンターなどで比較的入手しやすいチェーンオイル中心にご紹介したいと思います。
ウエット、ドライの別や簡単ではありますが特徴なども記載していますので、参考にしてみてください。
D.I.D(大同工業) | チェーンルーブ
タイプ:ウエット
容量:420ml
飛び散りにくく、時間が経つと粘度が増すといった感想が多く掲載されています。
また、チェーンクリーナーを使えば簡単に落ちるといった感想も掲載されています。
一方、スプレーノズルの作りに難あり、といった意見が多数寄せられています。
言わずと知れた日本を代表するチェーンメーカーのDIDがリリースするチェーンオイルです。
有機モリブデンで抜群の潤滑性。さらにポリマー配合により発散しにくい高い粘着力を持っています。
ワコーズ(Wako’s) | CHL チェーンルブ
タイプ:(ハーフ)ウエット
容量:180ml
汚れにくく、さびにくい。また、長時間性能が維持されるいった感想が多く掲載されています。
一方、DIDのチェーンルブと比べ飛び散りやすい、コスパが悪い(容量が少ない)、といった意見が寄せられています。
数々のケミカル用品をリリースするワコーズのチェーンオイルです。
粘度は、ウエットとドライの中間あたりのハーフウエット
金属表面に付着している水分、湿気と置き換わり潤滑・防錆被膜を形成します。このため、水洗後の乾燥していないチェーンにも使用することが可能です。
また、フッ素樹脂系固体潤滑剤を配合し、長期潤滑性・耐摩耗性・耐水性を持続します。
KURE(呉工業)| スーパーチェーンルブ
タイプ:ウエット
容量:180ml
飛び散りやすい、飛び散りにくい。粘度が高い、粘度が低いといった反対の意見が多数みられます。
これは、低価格を理由に、初めて購入したチェーンオイルがこの商品で、他のチェーンオイルと比較したことが無いことが原因のように思えます。
556で有名なKUREがリリースするチェーンオイルです。
コスパで行くと最強の部類に入るのではないでしょうか?
高純度有機モリブデンとフッ素樹脂(PTFE)配合により、すぐれた潤滑性、耐摩耗性、耐水性を実現。潤滑効果が長期間持続します。
ヤマハ(YAMAHA) | スーパーチェーンオイル (ウェットムースタイプ)
タイプ:ウエット
容量:500ml
粘度が高く、また、長時間性能が維持されるいった感想が比較的多く掲載されています。
一方、ゴミやホコリが付きやすい。つけ過ぎると糸を引くといったマイナスの意見も多くあります。
ヤマハ純正のチェーンオイルです。
純正ということで、安心感は非常に高いのではないでしょうか?
泡状に噴射される液体の高い粘性により油膜をつくり、耐摩耗性が高く、過酷な条件下での使用に適しています。
塗布後余分なオイルをふきとり、30分後の走行開始をお奨め。
2wayノズルキャップを採用し、拡散ノズルとスポットノズルの2通りの使い分けができます。
MOTUL(モチュール) | C2 Chain Lube Road
タイプ:ウエット
容量:150ml
スプレーした直後はサラサラだけど数分後に粘度が高くなる。今まで使ってきた中で一番飛び散りが少ないといった感想が多く掲載されています。
いろいろなチェーンオイルを使ってきた中で、このモチュールのチェーンオイルにたどり着いた方が多いように思えました。
一方、粘性が高いのでゴミやホコリが付きやすく、クリーナーで汚れたチェーンオイルを落とすのに苦労するといった感想も見受けられました。
高性能エンジンオイルをリリースするモチュールのチェーンオイルです。
ストリート走行からレース走行までオンロードバイクに幅広く対応する、強力粘着・スプレータイプの粘着性チェーンオイル(無色)です。
高速・高回転時にも優れた粘着力を保ち、オイルの飛散を防止するだけでなく、潤滑性・防水性・防錆性に優れ、チェーンを長期間良好な状態に保ちます。
ワコーズ(Wako’s) | CHG チェーンガード
タイプ:ドライ
容量:220ml
白色なのでスプレーしたところが分かりやすい、飛び散りが比較的少ない、ほこりやゴミが付きにくいといった感想が多く掲載されています。
一方、黒い汚れが目立つ、チェーンクリーナーではなかなか落ちないのでメンテナンスが大変といったマイナス意見もありました。
こちらはワコーズのドライタイプのチェーンオイル(チェーングリス)です。
スプレー後は白色になりますので、カラーチェーンを使用しているなどチェーンの色を気にされる方は注意が必要です。
フッ素樹脂を配合したシールチェーン対応チェーングリスです。
優れた潤滑性・耐摩耗性・耐水性・耐熱性を持ち、長時間潤滑性能を発揮します。
ヤマハ(YAMAHA) | スーパーチェーンオイル ドライ(ホワイトタイプ)
タイプ:ドライ
容量:500ml
白色なのでスプレーしたところが分かりやすい、飛び散りが比較的少ないといった感想が多く掲載されています。
また、ワコーズのCHG チェーンガードと比べコスパが良いといった意見もありました。
一方、飛び散ったら白色なので目立つ、チェーンクリーナーではなかなか落ちないのでメンテナンスが大変といったマイナス意見もありました。
こちらはヤマハ純正のドライタイプのチェーンオイルです。
スプレー後はホワイトになりますので、カラーチェーンを使用しているなどチェーンの色を気にされる方は注意が必要です。
タレ、飛散が少なく、(べとつかない)扱い易いチェーンオイルです。
フッ素樹脂配合で優れた潤滑効果を長時間発揮します。
まとめ:バイク用チェーンオイルの選び方
聞く人によっておすすめのチェーンオイルは違います。
また、おすすめのチェーンオイルがあなたにとってベストなものとは限りません。
理由は、バイクの種類は使い方、メンテンナンス頻度やメンテナンス時間は人それぞれだからです。
チェーンオイルを選ぶときは次順番で選ぶといいでしょう。
- チェーンのメンテナンスをする頻度
- チェーンの汚れを落とすのにかかる時間
もし、メンテナンスをする頻度も、チェーンの汚れを落とすのに必要な時間もピンとこなければ、まずはウエットタイプの中から選びましょう。
そこウエットタイプのチェーンオイルの不満点を洗い出し、次に購入するオイルの参考にしましょう。
なお、KUREとワコーズのチェーンクリーナーを「比べてみました バイクのチェーンクリーナー KURE VS ワコーズ ~それぞれ長所と短所がありました~」で比べていますので、ご興味のある方はぜひどうぞ。
では、みなさんの参考になれば嬉しいです。