50S QUANTUM SOUND BY Harman Kardon はSENA(セナ)のハイエンドモデル。
SENAインカムのアイコンともいうべき「ジョグダイヤル」スタイルを採用し、グローブをはめた手の指先でも直感的に操作が可能です。
Harman Kardon(ハーマンカードン)の職人によって設計されたオーディオシステムは、ヘルメットの中でとても上質な音を奏でます。
1万円そこそこで購入できる中華製インカムとは一線を画す操作性、音質、性能が50S QUANTUM SOUND BY Harman Kardon には備えられています。
ではこの後、50S QUANTUM SOUND BY Harman Kardon を1年以上使ってるわたしが詳しくレビューします。
より快適なバイクライフを求める方。高額でも、より高い操作性、音質、性能を求める方は、この続きをぜひチェックしてください。
- SENA 50S QUANTUM SOUND BY Harman Kardon はジョグダイヤルを採用したハイエンドモデル
- SENA(セナ)の50S 50R 30Sの違いを解説
- SENA 50S QUANTUM SOUND BY Harman Kardon をレビュー
- 他社接続が1:1しかできないのは、かなり不便
- 価格が最大のデメリット
- Harman Kardon(ハーマンカードン)オーディオシステムにより音質はAppleのHomePod mini以上
- スマートボリュームコントロールで周囲の雑音に応じて音量を自動調整
- 通話が始まると音楽やFMラジオの音量が自動で下がるのは地味に便利
- インカム通話、電話、音楽それぞれで音量調整ができるのは、やっぱり便利
- ジョグダイヤルでグローブをはめた手でも操作は快適
- 音声コマンド(「Hey! Siri」「OK,Google」「Hey! SENA」)がとても便利
- ボタンひとつで本体がクランプユニットから外れるのは複数のヘルメットを使う人にはとても便利
- SENA 50S QUANTUM SOUND BY Harman Kardon の設定方法を解説
- まとめ:【レビュー】SENA(セナ)のインカム 50S QUANTUM SOUND BY Harman Kardon
SENA 50S QUANTUM SOUND BY Harman Kardon はジョグダイヤルを採用したハイエンドモデル
50SはSENA(セナ)インカムのアイコンともいうべき「ジョグダイヤル」スタイルを採用。
おもに音量の調整や音楽の頭出し、FMラジオの選局などに使うほか、機能の選択・設定にも使用します。大きなダイヤルは、グローブをはめた手の指先でも直感的に操作できるのが最大のメリットです。
また、ワンタッチで接続、フルオート制御のSENAメッシュインターコムで人数無制限のインカム通話が可能。
50Sのファームウェアは付属のWiFiアダプターで自動更新。パソコンがなくてもアップデート可能です。
そしてSENA 50S QUANTUM SOUND BY Harman Kardon は3年間の製品保証。過酷な状況で使われることが多いバイク用インカムで3年間の製品保証はとてもありがたいですね。
SENA(セナ)の50S 50R 30Sの違いを解説
では、SENA(セナ)のインカム50S、50R、30Sの違いを一覧表にまとめましたのでご覧ください。
50S | 50R | 30K | |
モデル名 | 50S | 50R | 30K |
操作 | ジョクダイヤル | 3ボタン | ジョクダイヤル |
通話用チップ | SENA Mesh × 1 Bluetooth × 1 | SENA Mesh × 1 Bluetooth × 1 | SENA Mesh × 1 Bluetooth × 1 |
通話人数 (SENA同士) | Meshインターコム 無制限 Bluetoothインターコム 4人 | Meshインターコム 無制限 Bluetoothインターコム 4人 | Meshインターコム 無制限 Bluetoothインターコム 4人 |
通話人数 (他社接続) | ユニバーサルインターコム 2人 | ユニバーサルインターコム 2人 | ユニバーサルインターコム 2人 |
最長通話時間 | Meshインターコム 11時間 Bluetoothインターコム 12時間 | Meshインターコム 8時間 Bluetoothインターコム 13時間 | Meshインターコム 8時間 Bluetoothインターコム 13時間 |
最長通話距離 | Meshインターコム 1:1(2000m) 6人以上(8000m) Bluetoothインターコム 2000m | Meshインターコム 1:1(2000m) 6人以上(8000m) Bluetoothインターコム 2000m | Meshインターコム 1:1(2000m) 6人以上(8000m) Bluetoothインターコム 2000m |
オーディオ | ハーマンカードン オーディオシステム | ハーマンカードン オーディオシステム | プレミアムHDスピーカー |
FMラジオ | ○ | ○ | × |
販売価格 (税込) | 48,840円 | 48,840円 | 42,240円 |
詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
SENA 50S QUANTUM SOUND BY Harman Kardon をレビュー
それでは、1年ほど使用している SENA 50S QUANTUM SOUND BY Harman Kardon をレビューしたいと思います。
他社接続が1:1しかできないのは、かなり不便
SENA 50S SOUND BY Harman Kardon の最大の弱点とも言えるのが、他社のインカムとは1:1(1台)しか接続できないこと。これは、通話用のBluetoothチップを1つしか搭載していないことが原因です。
B+COM(ビーコム)の最上機種 SB6XR (以前の最上位機種は SB6X)は他社のインカムを2台接続できることを思うと、ちょっと残念なポイントと言えます。
もし、他社のインカムを含めて3人以上でインカム通話をしたいと思っているのなら、次の記事を参考にしてください。
ただし、SENA Mesh2.0を搭載した50S、50Rや30Kなどであれば無制限に接続可能なのは、他社のインカムはないメリットといえます。
価格が最大のデメリット
SENA 50S QUANTUM SOUND BY Harman Kardon の定価は48,840円。
それに対してB+COM(ビーコム)の最上機種 SB6XR の定価は44,000円と、50Sより5,000円ほど低い価格設定となっています。
Harman Kardon(ハーマンカードン)オーディオシステムにより音質はAppleのHomePod mini以上
Harman Kardon(ハーマンカードン)の職人によって設計されたオーディオシステムは、ヘルメットの中でとても上質な音を奏でます。それは、わたしの家にあるAppleのHomePod miniの音質をはるかに上回るほどです。
Harman Kardon(ハーマンカードン)は1953年に創設された米国オーディオ機器の老舗メーカー。約70年にわたり家庭向けオーディオ、カーオーディオの製造を続けてきました。
カーオーディオはBMW、ランドローバー、ミニ、ボルボ、メルセデス・ベンツ、サーブ・オートモービル、ハーレーダビッドソン、スバルなどに供給されています。
ただし、この上質な音を楽しむにはスピーカーの取り付け位置にこだわる必要があります。ほんの少し取り付け位置を変えるだけで音質は大きく変わるので、「あまりいい音ではないな?」と思った方はスピーカーの位置を少しずつずらし、ベストな取り付け位置を見つけてください。
スマートボリュームコントロールで周囲の雑音に応じて音量を自動調整
ライディング中は常に外音が変化します。自分のバイクのエンジン音。周りの車の音。ヘルメットの風切音・・・。
ライディング中に音楽を聞いていて鬱陶しく思うのが外音の変化。外音が大きくなると途端に音楽が聞こえにくくなり、逆に、小さくなると音楽がうるさく感じてしまいます。
そんなときに便利なのが”スマートボリュームコントロール”。スマートボリュームコントロールは、外音の変化に合わせて音楽やFMラジオ、インカム通話のボリュームを自動的に調整してくれる機能です。
スマートボリュームコントロールによってライディング中にボリュームを調整する煩わしさから解放されます。
通話が始まると音楽やFMラジオの音量が自動で下がるのは地味に便利
50Sは、他のSENAのインカムと通話中に音楽やFMラジを聴くことができます。
音楽やFMラジオを聞いているときに地味に便利なのが、インカム通話が始まると音楽やFMラジオの音量を下げてくれる機能。
インカム通話が聞こえづらいので音楽をストップ。そんな操作を不要とする機能です。
インカム通話、電話、音楽それぞれで音量調整ができるのは、やっぱり便利
インカム通話、電話、音楽の音量は、それぞれ違っていいることがほとんど。そんなときでも、50Sはインカム通話、電話、音楽ごとに音量調整が可能です。
電話がかかってくるたびに音量を調整したり、インカム通話から音楽に切り替えるたびに音量の調整をしたりする必要はなくなります。
設定は、スマホのSena Motorcyclesアプリから。
ジョグダイヤルでグローブをはめた手でも操作は快適
50SはSENA(セナ)インカムのアイコンともいうべき「ジョグダイヤル」スタイルを採用。
このジョグダイヤルは適度な大きさ、そして、回しても押しても適度なクリック感のおかげで、グローブをはめた手でも操作はとても快適です。
ジョグダイヤルの快適な操作に慣れてしまうと、ボタン操作のインカムを煩わしく思えるほどです。
音声コマンド(「Hey! Siri」「OK,Google」「Hey! SENA」)がとても便利
「Hey! Siri(ヘイ!シリ)」「OK,Google(オーケー、グーグル)」「Hey! SENA(ヘイ!セナ)」と呼びかけるだけで使える音声コマンドは、ライディング中にとても便利な機能。
スマホのSena Motorcyclesアプリで”ボイスアシスタント”をオンにすれば「Hey! Siri(ヘイ!シリ)」「OK,Google(オーケー、グーグル)」をボタン操作一切不要で使用可能。マイクに向かって話しかけるだけです。
例えば「Hey! Siri(ヘイ!シリ)。近くのガソリンスタンドまで道案内して。」と話しかけると、マップアプリにガソリンスタンドまでの経路が表示されます。
「Hey! Siri」の音声コマンドを上手に使いこなすポイントは、「Hey! Siri」と話しかけた後”ポロロン”とアラーム音が聞こえるまで待つことです。
”ポロロン”のアラーム音は、Siriが音声コマンドを受け付ける体制になった合図。もし、5秒ほど待っても”ポロロン”のアラーム音が鳴らなかった場合は、再度「Hey! Siri」と呼びかけてみてください。
また、「Hey! SENA(ヘイ!セナ)。音量アップ」と話しかけると、音楽やFMラジオの音量を大きくすることはもちろん、GoPro(ゴープロ)の操作も可能。
「Hey! SENA(ヘイ!セナ)」の音声コマンドを使うには、スマホのSena Motorcyclesアプリの使用言語を日本語に設定すればOK。
「Hey! SENA(ヘイ!セナ)」の音声コマンドをOFFにする設定はありません。どうしてもOFFにしたいのなら使用言語を日本語以外にすれば良いでしょう。
「Hey! SENA(ヘイ!セナ)」でできる主な音声コマンドは次のとおり。
機能 | 音声コマンド |
バッテリー残量確認 | ヘイ!セナ、バッテリー残量 |
音量を上げる | ヘイ!セナ、音量アップ |
音量を下げる | ヘイ!セナ、音量ダウン |
電話ペアリング開始 | ヘイ!セナ、電話ペアリング |
Bluetoothインターコム通話の開始・終了 | ヘイ!セナ、インターコム・イチ ヘイ!セナ、インターコム・ニ ヘイ!セナ、インターコム・サン |
メッシュインターコムの開始 | ヘイ!セナ、メッシュオン |
メッシュインターコムの終了 | ヘイ!セナ、メッシュオフ |
メッシュグループの作成開始 | ヘイ!セナ、メッシュグループ作成 |
オープンメッシュに切り替える | ヘイ!セナ、オープンメッシュ |
グループメッシュに切り替える | ヘイ!セナ、グループメッシュ |
Bluetooth/メッシュインターコム通話の終了 | ヘイ!セナ、インターコム終了 |
音楽再生開始 | ヘイ!セナ、音楽再生 |
音楽一時停止 | ヘイ!セナ、音楽停止 |
FMラジオをオンにする | ヘイ!セナ、FMオン |
FMラジオをオフにする | ヘイ!セナ、FMオフ |
音楽:次の曲に進む FMラジオ:次のプリセット | ヘイ!セナ、次 |
音楽:曲の最初に戻る FMラジオ:前のプリセット | ヘイ!セナ、戻る |
着信電話に出る | 電話に出る |
着信電話に出ない | 無視 |
GoProの録画開始 | GoPro、ビデオスタート |
GoProのタイムプラス開始 | GoPro、タイムプラススタート |
GoProの録画/タイムプラス停止 | GoPro、ビデオストップ |
GoProの写真撮影 | GoPro、写真 |
ボタンひとつで本体がクランプユニットから外れるのは複数のヘルメットを使う人にはとても便利
50Sはボタンひとつで本体がクランプユニットから取り外せます。
クランプユニットとスピーカー、マイクがセットになったユニバーサルクランプユニットは別で販売されています。
このユニバーサルクランプユニットを購入すれば、ヘルメットを複数使っている方には50S本体をとても簡単に付け替えることができます。
また、ボタンひとつで取り外せるので、ツーリング先でインカムの盗難防止にも役立つでしょう。
SENA 50S QUANTUM SOUND BY Harman Kardon の設定方法を解説
ここでは SENA 50S QUANTUM SOUND BY Harman Kardon の主な設定方法を解説します。
電源のON・OFF
電源をONするには、ジョグダイアルとフォンボタンを「こんにちは」とアナウンスが流れるまで同時に押します。
電源をOFFするには、ジョグダイアルとフォンボタンを「さようなら」とアナウンスが流れるまで同時に押します。
スマホとのペアリング方法
購入直後と設定の初期化と全てのペアリングを削除した後は、電源をONにすると自動的にスマホとのペアリングモードに入ります。
手動でスマホとペアリングするには、電源がOFFの状態から、ジョグダイアルとフォンボタンを「電話ペアリング」とアナウンスが聞こえるまで数秒間、同時に押し続けます。
途中、「こんにちは」とアナウンスが流れますが、ここでボタンを離さず「電話ペアリング」と聞こえるまでジョグダイアルとフォンボタンを押し続けることがポイントです。
ユニバーサルインターコムペアリング(他社接続)の方法
他社製のインカムとインカム通話を行うには、ユニバーサルインターコムペアリングを行う必要があります。
ユニバーサルインターコムペアリングの方法は「設定メニュー」とアナウンスが流れるまでジョグダイヤルを10秒ほど押し続けます。
途中「インターコムペアリング」とアナウンスが流れますが、ここでボタンを離さず「設定メニュー」と聞こえるまでジョグダイアルを押し続けることがポイントです。
「ユニバーサルインターコムペアリング」とアナウンスが流れるまでジョグダイヤルを回します。ジョグダイヤルは時計方向でも半時計方向に回してもOKです。
「ユニバーサルインターコムペアリング」とアナウンスが流れた後、フォンボタンを押すとペアリングモードに入ります。
Bluetoothインターコムペアリング(SENA同士)の方法
SENAの20S EVO、SF1、SF2、SF4とのインカム通話は、Bluetoothインターコムペアリングを行います。
Bluetoothインターコムペアリングの方法は、「インターコムペアリング」とアナウンスが流れるまでジョグダイヤルを5秒ほど押し続ければOKです。
ファームウェアのアップデート方法
50Sのファームウェアのアップデート方法は、次の2つの方法があります。
- 50Sに付属のWiFiアダプターを使う方法
- パソコン用アプリSena Bluetooth Device Managerを使う方法
50Sに付属のWiFiアダプターを使う方法
50Sに付属のWiFiアダプターを使ってファームウェアをアップデートする方法を解説します。
最初にWiFiアダプターをUSB電源に接続し、スマホとペアリングを行います。
次にWiFiアダプターをWiFiに繋ぎます。
スマホのSena Motorcyclesアプリを開き、歯車マークをタップします。
「WiFi経由でアップデート」をタップします。
「新規のデバイスを追加」をタップします。
指示に従い「次へ」をタップします。
これでWiFiアダプターがWiFiにつながりました。
50Sのファームウェアをアップデートするには、WiFiアダプターをUSB電源に接続し、さらにWiFiアダプターを50Sに接続します。
次に、スマホのSena Motorcyclesアプリを開き、歯車マークをタップします。
「WiFi経由でアップデート」をタップします。
「開始」をタップします
スマホに接続しているWiFiアダプターをタップします。
最新のファームウェアが公開されていると自動的にアップデートされます。
なお、WiFiアダプターと50Sの接続に時間がかかる場合があります。その時は、しばらく放置する他にないようです。
パソコン用アプリSena Bluetooth Device Managerを使う方法
パソコン用アプリSena Bluetooth Device Managerを使って50Sのファームウェアをアップデートする方法を解説します。
Sena Bluetooth Device ManagerはWindows、Macともに用意されてますが、正規品を購入をしなければアプリをダウンロードできません。
並行輸入のSENAのインカムを日本語化とファームウェアのアップデート方法は、次の記事にまとめていますので気になった方はチェックしてください。
まずはSENAのインカムを正規購入した人向けのサイトからSena Bluetooth Device Managerをダウンロードし、パソコンにインストールします。
インストールが完了したらパソコンと50SをUSBケーブルで接続します。接続が完了したらSena Bluetooth Device Managerを立ち上げます。
「次へ」をタップします。
「次へ」をタップします。
最新のファームウェアが公開されていると、自動的に最新ファームウェアに更新されます。
設定の初期化の方法
設定の初期化は「設定初期化」とアナウンスが流れるまでフォンボタンを10秒ほど押し続けます。
ジョグダイアルを1回タップし「リセット、さようなら」とアナウンスが流れれば設定の初期化が完了です。
なお、SENAではファームウェアのアップデート後に設定の初期化をすることを推奨しています。
まとめ:【レビュー】SENA(セナ)のインカム 50S QUANTUM SOUND BY Harman Kardon
50S QUANTUM SOUND BY Harman Kardon はSENAのハイエンドモデル。
SENAインカムのアイコンともいうべき「ジョグダイヤル」スタイルを採用し、グローブをはめた手の指先でも直感的に操作が可能です。
Harman Kardon(ハーマンカードン)の職人によって設計されたオーディオシステムは、ヘルメットの中でとても上質な音を奏でます。
1万円そこそこで購入できる中華製インカムとは一線を画す操作性、音質、性能が50S QUANTUM SOUND BY Harman Kardon には備えられています。
より快適なバイクライフを求める方。高額でも、より高い操作性、音質、性能を求める方に50S QUANTUM SOUND BY Harman Kardon をおすすめします。
では、みなさんの参考になればうれしいです。